今回は3月22日に行われた、ビズキッズ体験会の様子をレポートしていきたいと思います。記念すべき第1回のビズキッズ体験会のテーマは「どうぶつのおいしゃさん」ということで、実際に獣医さんにお越しいただいて、講演会を開催いたしました!
獣医さんというお仕事のやりがいや大変さ、どうすれば獣医さんになれるのかなど、さまざまなお話をしていただきましたので、今回の当日の様子をお届けしていきたいと思います!
ご紹介に預かりました、ダイゴペットクリニック日進オハナ院の院長の倉地と申します。本日はよろしくお願いします!
獣医の仕事は、おもに動物の病気を予防したり治療したりすることです。そして非常に大事だなあと思っていることは、獣医はヒトと動物を繋ぐお仕事であるということです。動物は喋れないので、獣医が動物の声を聴いてあげて、お客さんに現状どんな状況であるかを伝えること、いわば通訳みたいな役割で、動物とお客さんの間に立っているという意識で仕事をしています。
そして仕事のやりがいは、お客さんから感謝をしてもらえることや、病気になった動物が元気になってご飯を食べられるようになった姿を見ることができることですね。
獣医になるためには、獣医大学に入ることが必要になります。今は獣医学を学べる大学は国立・私立合わせて全国に17箇所あります。また獣医大学は基本的に偏差値が高い傾向にあります。とくにここから(愛知県から)一番近いのは岐阜大学だと思います。どの大学に行っても、最終的には国会試験に受かって獣医になるという形ですね。
毛が少ない!
どの辺が毛がないかな?
後ろ足のところが毛が少ない!
そうですね、後ろ足のところとか、顔のところとか毛が少ないですね。実際に飼い主さんに聞いてみると、顔を床にこすりつけていたり、体をよく舐めたり、夜もあまり眠れていないそうなんですね。もしワンちゃんが喋れるんだったら、何て言いたいか分かるかな?
かゆい!
そう!この子はかゆい!って言いたいんですよ。
じゃあ、なんでかゆいんだろう?って考えなきゃいけないんです。ワンちゃんの皮膚の検査をすると、体に何かがいるんですよね。こちらは顕微鏡で見たものです。これ、何かわかりますか?
ダニ?
ダニ!そう、正解!すなわち、体の中に住み着くダニがいるからかゆいんですね。体の中にいるダニはきちんと治療して除去する必要があるんですね。
次に、では皆さんは算数って好きですか?獣医さんのお仕事は算数も使います。ワンちゃんの体重は種類によって違うので、それぞれの種類によって与える薬の量も違ってくるんです。もしワンちゃんの体重が1kgだったら1回に2分の1個お薬を飲ませます。ではワンちゃんの体重が10㎏の場合、1日にお薬は2回飲ませます。ではこのワンちゃんは1日に何個、お薬を飲まさなければいけないか分かるかな?
この子は、何て言いたいんでしょう?
お客さんによると、最近よくこのポーズをするようになったり、ご飯をあまり食べなくなったり、元気もあまりないとのこと。これちょっと難しいですけど、分かる人いますか?
お腹がいたい?
そう!すごいね!これ実はお腹が痛い!って言ってるんですね。では何でお腹が痛いんでしょうか?こちらはレントゲン写真ですね。何が見えるかわかるかな?
もっと拡大してみましょう。
これ、何か変なんですけど、何が変なのか分かりますか?ここ何かあるんですけど、わかりますか?
小さい丸がある!
そうですね、小さい丸いものがあるんですけど、皆さんもよく知っているものです。
お金?
そう!お金です!一円玉ですね。これ実はよくあることなんですけど、ワンちゃんやネコちゃんを飼っている方ならよくあることなんですね。お金など小さいものを飲み込んじゃうっていうことはよくあります。ちなみにこの子は内視鏡手術で一円玉を取り出すことができました。
そして獣医はよく顕微鏡も使います。ではみんなで顕微鏡を見てみましょうか!
先ほど、顕微鏡で見てもらったのは動物の血です。小っちゃいつぶつぶは実は全部血なんです!血の中には、赤血球や白血球などがあります。動物の血を見ることで、貧血などの病気を知ることができるので、顕微鏡を使って詳しく調べることは非常に大事なんですね。
では、ここで改めて僕のご紹介をさせていただきます。
僕はずっと獣医になりたかったんですけど、高校に入ってから文系に変えたんですね。後からお話ししますけど、獣医になるのやめようって思ってたんです。心理学科の大学に進学したんですけど、途中で獣医学がやりたくなっちゃって、編入というかたちで別の学科に入りました。その後に、今勤めているダイゴペットクリニックで獣医師をやっているという感じです。
キャリア教育と言われている中で、キャリア教育って何なのかなと考えた時に、ある偉人も言っているんですけど、キャリアって人生を構成する一連の出来事全部だと、まさにその通りだなあって思うんです。
僕が獣医という職業に出会ったきっかけは、小学1年生の頃だったと思うんですけど、父親がバリバリの営業マンだったので、獣医になりたかったら、直接電話して話聞いてこいって言われたんです。そこで僕は近くの動物病院に電話して「獣医さんになりたいんですけど、お話聞かせてもらっていいですか?」ってアポイントを取ったんです。そしたら獣医さんが待っていてくれて、色々お話を聞いたんです。
そこで僕が聞いたことが、今でも覚えているんですけど「獣医さんになるために大事なことは何ですか?」って聞いたんですね。そしたらそこの先生が「動物を好きでいてください」と答えてくれました。
そして、その考えを持ったまま高校生になって、ふと“動物が好き”ってだけで獣医になっていいのかな?ってちょっと疑問に思ってしまったんですね。自分は理系も苦手だし手先も不器用だし、他にやりたい仕事もないしって思っちゃって、獣医の道を閉ざしちゃったんですね。今思えば考えすぎていたと思うんですけどね。
でもちょっと待ってって思って、改めて自分を見つめ直したときに、獣医さんって動物を助けるだけじゃなくて、人も助けられる仕事なんだ、それってすごい仕事じゃん!って思ったんです。理系苦手で不器用さは変わらないけど、でもやってみたい!って思えるようになったんですね。そこで僕は編入試験という形で別の学部に入ったんですね。
なので、今思えば大事だったかなって思うのは、獣医になるって思ったときに、ほかの仕事も知ったりとか、何で獣医さんになりたいのかという自分なりの動機づけを固めていくこと、そして先々に興味を持って広く学び続けることですね。こういうことをもっと考えていれば、アクションの仕方も変わってきたのかなって思っています。
はい!こんな感じで、駆け足になってしまいましたが、本日はありがとうございました。
体験会の様子はYouTubeでもご覧いただけますので、ぜひ見てみてくださいねー!